コンサートレポ:「ケルティック・ゲームミュージックライブ2019」 東京ゲームタクト2019 #ゲームタクト
2019/6/1に太田区民ホール・アプリコで開催されている「東京ゲームタクト2019」の小ホール公演「ケルティック・ゲームミュージック・ライブ2019」を観覧してきました。昨年開催の東京ゲームタクト2018年でも開催されたもの、今回は昨年の好評を受けて少しライブ時間を長くして、再び開催されたとのことです。
開演時間は間に10分休憩を挟んだ二部構成で90分ほど。トークも少な目で、演奏をメインに進行していたので、多くの曲を楽しめました。演奏会ではゲームミュージックの中でも「ケルト音楽」に大別される曲を演奏。ケルト音楽とは、ざっくり言えば、アイルランド周辺を中心とした北欧の民族音楽と表現できます。フィドル、ブズーキー、イーリアンパイプスなどの楽器が演奏に使われることも多く、その音色からケルト音楽を感じることが多いかもしれません。
以下にセットリストと感想を述べてゆきます。
前半
『幻想水滸伝』より
「An Old Irish Song」「遙かなる山」
『LITTLE FRIENDS - DOGS & CATS - 』より
「Stue」「Butikk」「Venner」
『tsugunai ~つぐない~』より
「昼下がりの町」「酒場」
ミニコーナー(よく耳にするアイリッシュ音楽)
ジグ(ケッシュジグ/モリソンジグ)とリール(シルバースピア/カップオブティー)
前半は6人編成。アコーディオンに藤野由佳さん、イーリアンパイプスに中原直生さん、フィドル(とハーディングフェーレというさらに小さくナイロン弦を用いたフィドル?みたいな楽器)に酒井絵美さん、さらにノイジークロークの藤岡竜輔さん、白澤亮さん、工藤詠世さん達で演奏されました。
ホイッスルとフィドルの掛け合いがとても心地よかった「遥かなる山」など幻想水滸伝の曲はとても穏やかな感じ。光田康典さんが作曲の『tsugunai~つぐない~』の2曲は初めて聴いたのですが、どこかに光田さんを感じる穏やかな音色でした(ゼノギアスの「憧憬」の音色を思いだしたから?)。興味深かったのは、ミニコーナーで紹介されていたアイリッシュ音楽のリズム「ジグ」と「リール」を実際に演奏して教えてくれたこと。実際にアイリッシュパブなどでよく演奏される楽曲を取り上げて、とても軽快に演奏されてました。改めて、とても踊りたくなるような軽やかなリズムだよなあと。穏やかな晴れの日に、屋外でビール片手にリズムをとりながら踊り、手拍子をしたくなる……そんな楽しみ方が実に似合う音楽だよなあと再認識した次第です。
後半
『ゼノブレイド2』より
「トリゴの街」「フレースヴェルグ傭兵団/夜」「故郷」「帝都アルバ・マーゲン/夜」
『The Witcher 3: Wild Hunt』より
「The Slopes of the Blessure」「Merchants of Novigrad」
『ファイナルファンタジーIV ケルティック・ムーン』より
ガルディア王国千年祭
後半は前半の6人に加えてバイオリンに松原まりさんと矢吹彩さん、チェロに岡田一輝さん、さらにハンマーダルシマーというピアノの祖先にあたる楽器を演奏するMiMiさんも加えて演奏。ハンマーダルシマーの音色が一番綺麗に感じたのは、『ゼノブレイド2』の「帝都アルバ・マーゲン/夜」演奏時でした。というか、その曲で使われた弦を爪弾くような音色そのものだったので、こうやって演奏されていたのか、と驚きを隠せなかったです。大好きなゼノブレイド2の楽曲が生演奏されるのを聴いたのが初めてだったので、感動しっぱなし。特にイヤサキ村の曲「故郷」が大好きなので、その優しいメロディをとても大事に演奏してくださった皆様に感謝でした。どこか『ウィッチャー3』の2曲では「どこか中世っぽさを感じる」と藤岡さんがMCで言った通り、落ち着いた重々しい音楽を楽しめた。中世っぽさはどこから感じるのだろう、と考えていたのだけど「低音域で同じフレーズを繰り返しながら転調し、演奏楽器を少しずつ増やしてゆく多層的な構造」「リズムをほとんど変えない」という点が挙げられるのかもしれません。最後はみんな大好き「ガルディア王国千年祭」で締め。光田康典さんのライブを思い出す。みんなで気軽に手拍子したり\ハッ/をしっかり声出して楽しめてもよかったかなぁと。光田さんファン以外にはまだまだ馴染みが薄いのかもしれません。
話が少し逸れましたが、こんなに身近にケルト音楽が使われていたこと、そしてそれがとても魅力的であることを改めて教えてくれた、非常に素敵なコンサートでした。まだまだ楽しみ方が広がりそうなケルト音楽。来年もぜひ演奏してくれたらいいなぁ。