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育てて、信じて、共に夢を掴め: #パワプロ2020 「栄冠ナイン」プレイレビュー

 

栄冠ナインで春夏連覇を成し遂げたので、区切りの良いところでレビューをしたいと思います。筆者はパワプロ11以来のシリーズプレイでしたが、とても熱中して毎日楽しい野球生活を送らせてもらえました。

 

  • 栄冠ナインとは
  • システム解説
  • 「プレイヤー」から「野球部監督」へ
  • 託した選手たちが、輝く喜び

 

 栄冠ナインとは

私がプレイしていたゲームはNintendo Switch版「eBASEBALL パワフルプロ野球2020」(以下「パワプロ2020」と表記)です。

<SW版>eBASEBALLパワフルプロ野球2020

<SW版>eBASEBALLパワフルプロ野球2020

  • 発売日: 2020/07/09
  • メディア: Video Game
 

 パワプロ2020には様々なゲームモードが収録されており、実際のプロ野球チームを使て遊ぶモード、特定のシナリオをプレイしながらオリジナル選手を作り上げるサクセスモードなどがあります。「栄冠ナイン」はそのうちの一つで、とある高校の野球チームの監督になり、練習やイベントを積み重ねていきながら甲子園を目指してゆくゲームです。

成長した選手たちは、秋のドラフト指名でプロ野球選手になることもあり、高校野球生活を通してオリジナルキャラを作成できるという楽しみ方もできます。しかし、私はオリジナルキャラ作成をメインとするよりも、高校野球の監督としてチームを強くしてゆくところの魅力がとても大きいと感じました。本稿ではその魅力について語ってゆこうと思います。

 

システム解説

栄冠ナインは野球部監督として自分が受け持った野球部を強くしてゆくゲームである為、ゲーム内でプレイヤーが行うことは「チーム育成」と「戦術指示」の二つです。

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チーム育成は練習指示と日程進行があります。毎月一日にに各選手に練習を指示して、能力アップを目指します。また日程進行では、ボードゲームのように手札にある練習メニューから行いたいものを選び、能力をアップさせながら日程を進行させてゆきます。毎年4月1日になると新入生が入学し、その年の夏の大会で敗退もしくは全勝して夏の甲子園大会で優勝すると3年生が引退して新チームになります。年月を重ね、数多の部員たちの入学・卒業を繰り返してゆきながら、春と夏に開催される甲子園大会で勝ち上がり優勝してゆくことが目標となります。

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試合では、ベンチ入りメンバーを選び、スタメンを選出し、指揮を執ります。試合中は各選手を直接操作するのではなく、試合前に指名した選手、もしくは攻撃のチャンス時や守備でのピンチ時に各選手に指示を出す形になります。指示は作戦カードとして手札に揃い、選手の能力や対戦する相手との力関係で成功確率が左右されます。

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試合結果に応じて選手は成長してゆきます。信頼度が上がれば、各選手が作戦を指示通り行ってくれる確率が上昇し、地方大会、甲子園大会と勝ち進んでゆく毎に能力が上がりやすくなってゆきます。

このように練習と試合を繰り返してゆきながら、チームを強くしてゆきます。

 

「プレイヤー」から「野球部監督」へ

システム解説でも述べましたが、栄冠ナインではプレイヤーが試合中に各選手を直接操作することはできません。パワプロでは栄冠ナイン以前にも、特定のシナリオを選んでオリジナルキャラクターを作成・育成する「サクセス」や、無名のプロ野球選手になってプロ野球生活を送る「マイライフ」などがありましたが、いずれもプレイヤーが試合でのプレイ操作に直接かかわるものが多かったと思います。自分のプレイが直接ゲームの結果に繋がることは、言うまでもなく楽しいことでした。

しかしながら、裏を返せば「強い選手を作る為には、自らのプレイスキルを上げなければいけない」という悩みがあります。勿論プレイを上達させる為に、何度もチャレンジして乗り越えてゆくことは素敵なことだと思いますが、一方でプレイ時間を費やしても上達しない自分の腕前にため息をつくこともありました。

栄冠ナインではプレイスキルは求められず、代わりに、毎年メンバーを入れ替えながら、どのようにチームを強くしてゆくかというチームの育成方針、各選手をどのように活躍させてゆくかという各選手への目線、試合で勝利する為の戦術などが求められます。言い換えれば、これまで自分が積み重ねてきたパワプロの知識(特殊能力や有効なパラメータなど)と野球の知識(配球の読み合いや勝負所の見極め)で勝負することになります。これはこれまでのパワプロとはまた異なった楽しみであり、プレイスキルの頭打ちに悩まされていた私にとって、新たに開かれた扉でした。野球を学び、パワプロを学ぶことがチームを強くする、まさに監督としての第一歩を踏み出したわけです。

 

託した選手たちが、輝く喜び

選手を育ててチームを強くする楽しみを十分に楽しめる栄冠ナインですが、その魅力はやはり試合中にギュっと詰め込まれています。試合中の大事な場面で相手選手と味方選手の力関係を考え、試合展開を予想し、勝負所を見定め、選手に指示をだしてゆく。その指示が見事に成功した時はたまらなく嬉しいし、予想を超える大活躍をした選手がいれば我が事のように嬉しくなる。まさに一球に沸き一瞬に懸ける野球の醍醐味を強く楽しめるのは最高だといえます。

また、プレイをして感じたことは、チームで育ってゆく選手一人一人に情がわいてくることです。最初はランダムに名付けられたNPCとして認識していただけなのに、練習を重ね、能力を伸ばし、試合を戦ってゆくうちに、各選手の特徴を覚え、成長が楽しみになり、その活躍を誰よりも祈るようになります。

手塩にかけて育てた選手たちが、思い思いにプレーをして、勝ち進んでゆく。そして自分自身では成し遂げることが出来なかった甲子園まで連れてきてもらい、そこで勝利をプレゼントしてくれる。自分では叶えられなかった夢を、選手たちに叶えてもらえたことは本当に幸せです。

栄冠ナインの主人公は、野球部監督を務めるプレーヤーというよりは、3年間懸命に練習して成長し、試合で躍動して監督に甲子園大会優勝旗を届けてくれる、部員たちなのだとそう思います。

 

最後に

今回記事用のスクショを撮り続けたチームはその後見事に全国制覇を果たしました。ありがとう、皆。そしてまた新チームがはじまる。