東京ゲームタクト2019「オーケストラで聴く近年話題のゲーム音楽」を聴きに行きました #ゲームタクト
2019/6/1に太田区民ホール・アプリコで開催されている「東京ゲームタクト2019」の大ホール公演「オーケストラで聴く近年話題のゲーム音楽」を観覧してきました。アプリコ大ホールはシューボックス型で真正面から部隊が見えるホール形状。ホール1階のちょうど真ん中あたりでゆったりと演奏を聴くことができました。演奏されたのは、この日の為に結成されたスペシャルオーケストラの「ゲームタクトシンフォニックオーケストラ」の皆様。総勢80名弱の演奏者がズラリと揃い、豊かで素敵な演奏をされていました。
コンサートのタイトルにあるように、ここ数年にリリースされたゲームの音楽を中心に演奏されました。筆者は未プレイのゲームが多く、そこで初めて聴く曲が多かったのですが、それでも飽きずにずっと聴き入ることができました。曲の魅力と演奏の素晴らしさの両方を改めて感じた次第です。
以下に演奏された曲と筆者の感想を述べてゆきます。
(演奏曲)
『ミトラスフィア -MITRASPHERE-』より
メインテーマ~天海からの誘い~ / Grand Battle
『モンスターストライク』より
超絶 日本神話 道中&ボスBGM(ゲームタクトVer.) / 超絶 仏教 道中&ボスBGM(ゲームタクトVer.)
『Horizon Zero Dawn』より
Aloy's Theme
『The Witcher 3:Wild Hunt』より
Kaer Morhen / Geralt of Rivia
『嘘つき姫と盲目王子』より
月夜に溶ける歌 / はじまりの一頁 / 狂楽の魔女 / 一輪のほほ笑み / 嘘を重ねて / 言の刃 / 早鐘を打つ鼓動 / 古き童話の残照 / 君が全てを忘れても / 月夜の音楽会
『ペルソナ5』より
Wake Up, Get Up, Get Out There / Last Surprise
『プレカトゥスの天秤』より
僕にとっての正義は、世界にとっての罪なのか / 我ら勝利を渇望せり / その名誉は傲慢にも似て / 氷雪の下、怠惰に沈む / 無情なる者ども / 研鑽の果て、探求の奈落 / 絢爛たる光と隠匿の影 / 静寂ニ捧グ犠牲 / プレカトゥスの天秤
『ゼノブレイド2』より
インヴィディア烈王国 / 帝都アルバ・マーゲン / スペルビア帝国~赤土を駆け抜けて~ / リベラリタス島嶼群 / シンの力
encore
『ペルソナ5』より
Life Will Change
雅楽、そして読経と音楽のコラボ
『モンスターストライク』の楽曲ではゲスト奏者として、中村華子さんが笙を、深澤法弘さんはじめ3人のお坊さんが読経をそれぞれ披露。笙は、雅楽で聴く「プワァー」という高音の煌めいた、あの音色の楽器です。笙の生演奏を聴いたのが生まれて初めてだったので、まずそのことに驚きました。(恥ずかしながら実在する楽器ではなく、シンセサイザーなどの電子音で表現していると思い込んでいたので……)、さらには「超絶 仏教 道中&ボスBGM(ゲームタクトVer.)」では般若心経の読経とオーケストラ演奏のコラボという、ここは日本なのか、はたまた現世なのかもわからなくなってしまうような不思議な体験でした。これから先読経をコンサートで聴く機会は無いと思います、たぶん……
『ゼノブレイド2』演奏の素晴らしさ
筆者が大好きなゼノブレイド2の楽曲が演奏されました。このコンサートで一番楽しみにしていたので、喜びもひとしお。インヴィディア烈王国。イントロの穏やかな入りからの大きな盛り上がりの差、要所で鳴り響くティンパニと浮遊感のあるファゴットが、インヴィディアの幻想的な空間(おおきなアルスの胎内)を見事に表現していました。帝都アルバ・マーゲン。当日行われたケルティックコンサート(記事はこちら)では同じ楽曲の夜が演奏されていましたが、こちらは昼の荘厳で重たい感じを見事に演奏されてました。低音を響かせる金管楽器の心地よさ。スペルビア帝国~赤土を駆け抜けて~。今回最も楽しみにしていた曲。平松建治さんのダイナミックで緩急のついたドラマチックな曲をさらに盛り上げる演奏!ゲームタクトシンフォニックオーケストラの皆さんは、皆様とても素晴らしい演奏でしたが、この曲では特にソロ演奏の素晴らしさが際立っていたと思います。高音まで突き抜けるトランペットソロ!あのカッコよさは生で感じられて最高でした。リベラリタス島嶼群、一転穏やかでゆったりとした曲調に。こちらもフルートのソロが伸びやかで心地よい。ゼノブレイド2のフィールド曲は、そのアルスの個性に応じてガラッと曲調が変わるのですが、その差を物ともせず、それぞれのフィールドを丁寧に、そしてダイナミックに描き切った演奏はほんとうに素晴らしかったです。決然としたシンの力を経てからの、一瞬入るCounterattackのフレーズ!からのスペルビア帝国をリフレイン!それぞれの曲の良さを生かした締めをした編曲はとても素晴らしかったです。
とっておきのアンコール
ゼノブレイド2の素晴らしい演奏で興奮冷めやらない会場を、さらにそこから盛り上げたのがアンコール曲!まさかのペルソナ5からもう一曲!やはりバトル曲は映える!ということは勿論として、目黒将司さんのバトル曲エッセンスが詰まった「Life Will Change」は実に豪華で華麗。アメリカのショービズで使われてそうな華やかさをそのままにオーケストラとギター、ベース、ドラムを加えた編成で見事に演奏!シンセの音色をさらに強調できた編曲も見事。これぞ女神転生からのアトラスバトル曲ですと力強く!選曲とその演奏の素晴らしさで二重の嬉しいサプライズでした。