明けにし空を烏賊に眺めん——スプラ2「オクト・エキスパンション」考察
(本記事はスプラトゥーン2DLC「オクト・エキスパンション」のゲーム内容に関する記事となる。したがって記事中にいわゆる「ネタバレ(ゲームプレイで得られる感動を削いでしまう内容)」が含まれる為、どうか”オクト”クリア後に閲覧頂きたい。)
記事タイトルはオクト冒頭に詠まれた上の句に対する返歌とした。
先日無事にオクト・エキスパンションのストーリークリア及び道中のチャレンジコンプリート(課題を最低一つクリアし、ネリメモリー及びギアを手に入れた)を達成し、その後”ケジメ”もちゃんとつけた。”オクト”はとても難しいミッションが多く、楽しいと苦しいが交互にやってくる稀にみる噛み応えのあるゲームだった。その内容や感想を述べることは、別の機会にしたいと思う。本記事ではその「物語」をプレイ中にある既視感に気付いたので、それを述べてゆくことにする。
内容はずばり
「オクト・エキスパンションとは、『メタルギア』のオマージュである」
ということだ。
以下に共通点などを述べて、その面白さを考察してゆく。
(注:本稿では『メタルギア』及び『メタルギア・ソリッド』などのいわゆる『メタルギア』各シリーズに見られる特徴的な点を総じて『メタルギア』と捉えることにする。)
・丸腰の主人公、潜入する。
とある地下施設から地上へ脱出を試みる8号。しかしその脱出経路に来たのはいいが、ブキを持たないで来てしまう。そしてその地下施設には無数のオクタリアンがいて、その道をふさいでいる。ではブキを持たない8号はどうやってこの警備を切り抜けるのか。
「敵に見つからないようにセンプクして進む」だ。
この設定こそ、メタルギアのゲームシステムそのものだ。ヒーローモード及び”オクト”を遊んでいる時は、あれほど華麗に倒せたオクタリアンたちだが、丸腰の身では到底敵わない。なんでもない巡回兵に見つかることを恐れながら進んでいくこの楽しみこそメタルギアのそれだ。
ちなみに敵兵に見つかった時は、
「!」マークが表示されると共に、集中砲火、さらに増援の登場などもきっちり再現されている。(とはいえ「!」マークは既にスプラトゥーンの時から実装されていたものではあるが)
なおブキは道中で手に入ることができる。
・仲間からのアドバイスは「通信」
8号がミッションに挑むとき、また地下施設から脱出する際のアドバイスを、ヒメ及びイイダが無線機を使ってサポートしてくれる。(これもスプラトゥーン及びスプラトゥーン2のヒーローモードで同じガイドがあった)
そしてメタルギアにも同じく無線によるサポートがある。(筆者はメタルギアの魅力の大きな柱と考えている)孤独な戦場をつなぐ仲間との無線でのやりとりもまた本作の魅力だと言える。
ちなみに8号が地下施設脱出に失敗した時のリアクション及び文面はまんまメタルギアのそれである。
・強力なライバルとの 1vs1
メタルギアシリーズには不文律の「お約束」がいくつかある。その一つが「生身(人間隊とほぼ等身大)のボスキャラクターとの一騎打ち」である。メタルギア・ソリッド(以下MGS)ではリキッド・スネークとの一騎打ち、MGS2ではソリダス・スネークと、MGS3ではザ・ボスと、MGS4ではオセロットと。
この一騎打ちを担ったのが、”オクト”ではまさかの3号だった。相手として申し分ない……というか強すぎだった。(なぜかオセロットとの一騎打ちを思い出した)
・巨大な人造兵器との闘い
メタルギアではその名の通り、物語の終盤に必ず巨大な人造兵器が登場する。(そしてそのほとんどは核搭載自立型二足歩行兵器のメタルギアである。)そういった強大な兵器と立ち向かうこともまたメタルギアの面白さと言えよう。
”オクト”ではなんとそれさえも再現した。
ネルス像の口から出てくる大きな兵器。何度見ても壮観である。この巨大兵器に対してナワバリバトルで決着をつけさせるあたりが、サイコーに面白かった。
・おまけ
これはリキッド・スネークのそれ。
長いトンネル(脱出口のパイプ?)を上る演出は、MGS3を思い出した。その先に見た朝焼けはMGS2の夕陽を思い出した。
・おまけのおまけ
イイダのイラストセンスがflash時代のそれでめっちゃ胸が痛い。
サイコーの笑顔に会いに行こう。オクト・エキスパンションを買おう。
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