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レポ:mora presents 『ゼノブレイド2 黄金の国イーラ オリジナル・サウンドトラック』購入者スペシャルイベント

 2019/1/20に開催された「mora presents 『ゼノブレイド2 黄金の国イーラ オリジナル・サウンドトラック』購入者スペシャルイベント」に参加してきました。「ゼノブレイド2 黄金の国イーラ オリジナル・サウンドトラック」を購入し、抽選を経てイベント当選を果たした次第です。当日は2部開催されて、2部合計してもイベント参加者の数は40人足らず。貴重なイベントに参加することが出来てとても幸せでした。本記事は第2部のイベントレポートになります。

またこのイベントはZing!にてイベントレポートが 公開されています。本記事は筆者が特に印象に残ったことを中心に書いてゆきます。

 

 (目次)

  • スタジオに感動
  • ハイレゾ音源の素晴らしさ 

 スタジオに感動

 イベント会場はなんと、ソニーミュージックのスタジオ!イベント集合時間が来るとスタジオへ向かう廊下に列で並びそのまま順番に地下のスタジオへ。(おそらくスタジオ1&2だと思われる) 

参考:ソニーミュージックスタジオ公式サイト際のスタジオ紹介ページ

ソニー・ミュージックスタジオ

 イベント前に司会の方よりスタジオ内の説明を受けました。誰でも気軽に入れるようなスタジオではない伝統ある素晴らしいスタジオとのこと。そしてこのスタジオでゼノブレイド2黄金の国イーラサウンドトラックの楽曲が録音されたとです。司会の方が少し緊張しながら話してくれた言葉の重みから、スタジオに刻まれてきた歴史とスタジオに対する敬意が十分に感じることができました。改めてこの場所に立ち入ることができた幸せをしっかりとかみ締めました。 

前説でも話してくれたことですが、スタジオ内は音がほとんど響かないことに驚きました。(司会の方によると余計な残響がないことが優れたスタジオの条件とのことです。)マイクを通して聞く司会の方の声、参加者たちで拍手の練習をした時も、音がスタジオの壁にすぐに吸い込まれていくのを感じました。(「いつもより強めにたたいてくださいね!」といわれて思いっきり叩いても、まったく響かなかった。)

トークショー2部のゲストは光田康典さんと清田愛未さん。それぞれのプロフィール紹介の後、事前にイベント応募者から寄せられた質問に回答する形で進行してゆきました。(筆者注:質問内容は「ゼノブレイド2」及び「ゼノブレイド2黄金の国イーラ」についてのものになります)質問内容は「難産だった曲は?」「自身の音楽の特徴などは意識するか?」「(ゼノブレイド2及び黄金の国イーラでは)複数の作曲者が参加しているが、曲の方向性などはどのように合わせたのか?」の三つ。

清田さんは「『Tiger! Tiger!』はいわゆる”ファミコン風”の音色を使ったためどのように表現するかとても勉強になった」「(自分自身の曲の特徴を)意識しているわけではないが、眠くなる曲調が多いと思う。ピアノの手癖があったり、コーラスを追加したくなるのは特徴かもしれない」「ゼノブレイドでは50曲ほど、ゼノブレイド2では14曲担当したが、高橋哲哉総監督との意思疎通が前作よりもうまく出来てきたと思う」という話をされていました。

光田さんは「ゼノブレイド2本編の曲を製作している時点で既にイーラ編の物語もきいていた」「(楽曲制作の際は)共作のアーティスト(ACEさん、平松建治さん。清田さんは制作の途中からチームに加わったとのこと)と何度もミーティングし光田家でミックスも行った。また演奏する楽団やミュージシャンも統一することなどもあり、統一感のある作品に仕上がったのでは」などと話されました。

ゼノブレイド2の壮大な物語を鮮やかに彩った素敵な楽曲たちを生み出したその現場の苦労が垣間見えた気がしました。特に光田さんは音楽総合プロデューサーも兼務されていたこともあり、自身の作曲活動の他に、他の作曲家と高橋哲哉総監督との間に入りながら様々な調整を行われることの難しさを感じていらっしゃたのだと思います。

   

ハイレゾ音源の素晴らしさ

トークショーが終わり、イベント後半は楽曲をハイレゾ音源で視聴するコーナーに。移動した先はミキサールームでした。ミキサールームはいわばスタジオの心臓部。「ここにある機材がどれも最高級の素晴らしいものです」とゲストの皆様が静かに熱弁されていたのが印象的でした。 筆者は(ここで自分が大好きなアーティストたちが演奏して、その演奏をミックスしたんだ……)と考えるだけで感動していました。

第2部で披露された曲を紹介した方のツイートを引用させて頂きます。イーラ編だけでなく、なんとゼノブレイド2本編の曲も複数取り上げてくれました。 

 ミキサールームのスピーカーを通して聴くハイレゾ音源の楽曲はどれも本当に魅力的なものばかりでした。まるで「目の前でミュージシャンが生演奏をしている」という感覚でした。光田さんの解説に頼ると、「音の距離感」をそのまま感じることができるということです。オーケストラ演奏の曲は、まるでホール内で演奏されているように音が響き、「遠く・広い」場所で演奏しているように感じました。「戦闘!!/イーラ」のようなジャズ調のアンサンブルでは、「音の近さ」を臨場感たっぷりに感じ、さらには「演奏されている楽器の立ち位置」まで感じることができました。どの楽器がどの場所にいて、どのように演奏されているか、その様子が目の前に浮かんでくるような臨場感でした。

また、その他の音源や家庭用のスピーカーではなかなか聴こえにくかった音(エルピス霊廟のウインドチャイムなど)もはっきりと聴こえてきたことにとても感動しました。音源を聴きながら作曲者のお二人が製作中のエピソードを色々とお話してくださりましたが、お二人とも特に「音へのこだわり」を強く意識していたように思います。清田さんは「光田さんのアドバイスを受けて、パーカッションの音をワンループ録音してから繰り返すものから、一曲まるまる演奏して頂くことに変えたんです。そうすると印象が全く変わって素晴らしくなって……」と話していましたが、同じ音を作るにしても、どのように演奏するか、その音をどのように生かすか……など「良い音」の色々な形について考え、こだわったところをありありと感じることができました。もう二度と、このような最高の環境で、最高の音楽を聴くことは無いと感じていたので、全身で音を感じることに努めていたのを思い出します。筆者は「音質」にはそれほどこだわりが無い方だと思っていましたが、この体験で大きく考えが変わりました。音源や、環境などにこだわって生まれた音は、感動するほどに素晴らしいものだと気づかされました。

 

追記

第1部で流れた曲をツイートしているフォロワーさんがいらっしゃったのでこちらもご紹介します。 

 

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 イベント終了後には、お二人からサインを頂く機会が。素敵な曲を作ってくださったことへの感謝を伝えることが出来て本当に嬉しかったです。素敵なイベントをありがとうございました。