Switchの爆弾解除ゲームを遊んでみた:完全爆弾解除マニュアル:Keep Talking and Nobody Explodes
YouTubeで配信されている、ゲーム紹介動画「よゐこのインディーでお宝探し生活2」を見たら面白そうなゲームがあったので早速DLしてみた。
件の動画
どんなゲームなのかは動画を参照するとよく分かると思う。このゲームの特徴的な点は「同じ画面を共有しないで遊ぶ二人用ゲーム」という点だ。対話を続け、現状を共有し、共に危機を乗り越えてゆくハラハラドキドキの緊張感がたまらなく楽しい、という点だ。
動画内で爆弾解除に悪戦苦闘するよゐこの姿を見て、自分も誰かと一緒に爆弾解除したくなったので、先日開催された「ごめ会2019春の陣」に参加してみた。
フォロワーさんのアドバイスに従って以下の通りに準備。
(用意したもの)
・爆弾解除マニュアル:7部ほど
・筆記用具(メモ帳数枚とボールペン)
ごめ会の会場にはプロジェクタが備え付けてあるので、大画面にゲーム画面を投影。マニュアルを読んで伝える「分析担当者」は後ろを向いて画面をみないようにする。ゲームを操作する「処理担当者」とプレイを見て楽しむ人たちは大画面を見て楽しむ。
マニュアルを複数用意したのは、プレイをしていない人たちが「プレイ画面を見ながら、マニュアルを見てプレイ状況がより分かりやすく楽しめる」ようにするため。筆記用具を用意したのは、爆弾解除の仕掛けを解くためにメモが必須のものがあったから。
準備万端。大画面で遊び、その後携帯モードにして一人ずつプレイしてもらった(だらけ自身もプレイした)時の感想を。
危機を共有することが盛り上がる
爆弾解除には制限時間がある。(通常プレイだと5分が基本)ゲーム開始から刻一刻と爆発の瞬間が迫ってくる。実際にプレイするとわかるが「処理担当者」の緊張感は凄い。自分ひとりの力ではなんともできない分、早く残ったモジュール(爆弾の解除のギミック)を解いてゆかなくては、という気持ちがどんどん強くなる。焦る。特に大画面でプレイした時は、その時の焦りが見ている人たちと共有出来て面白かった。
また、その焦りは「分析担当者」も同じこと。処理担当から送られてくる情報が断片的なものであり、その情報をよく理解しないとマニュアルのどの部分を参照したらよいか、まったくわからない。加えて、このゲームで用いられる「爆弾解除マニュアル」は実にtheマニュアルといった文章であり、しっかりと条件を読み論理的に可能性を探してゆかないと、正答に辿り着くことができない。実に味気なく、読みやすさは度外視したマニュアルなのである。
一人一人の異なった解法
ごめ会の時は合わせて6人くらいの人たちで交代でプレイをした。特に感じたのが、処理担当と分析担当のコミュニケーションの違いだった。処理担当者は、モジュールの種類をまず尋ねる人もいれば、先に目の前にある爆弾のシリアルコードなどを伝える人、伝える情報をあらかじめ確認しあう人など。分析担当者は、相手のモジュールの種類を確認する人、シリアルコードとバッテリーの有無(注:これらは爆弾解除の条件に関わっている)を確認する人、会話で得た情報を細かにメモをする人。質問の内容、タイミング、順番や尋ねる言葉遣いなどが、全く異なった。そしてこれは同じ人がプレイしても、一緒にプレイする人が変わったり、もしくは処理担当と分析担当をチェンジすると、会話や質問の内容がどんどん変化していった。
初めてプレイする人、あらかじめマニュアルに目を通してから処理担当でプレイする人、色んな形でゲームプレイしたが、およそ10回ほどのプレイで解除成功までたどり着けたのは、2回ほど。ギミックは理解しても、マニュアルをすぐに理解することの難しさ、相手との良好なコミュニケーションを互いに探ることの難しさなどが大きく影響したと思う。
ごめ会での感触は良好。自分も一緒にプレイしてとても楽しかった。
……が、ソフトを持ち帰るとなかなか一緒に遊んでくれる人を見つけるのはなかなか難しい。そこで筆者は、禁断の「一人爆弾解除プレイ」を試してみた。
驚くほどつまらない孤独な爆弾解除
手元には爆弾解除マニュアルとコントローラー、画面に映した爆弾とマニュアルを見ながら解除してゆく。あの時みんなでプレイした爆弾解除の面白さを求めてマニュアルを開く。画面とマニュアルを睨めっこしながら、マニュアルを読み解いてモジュールを一つ一つ解いてゆく。一人でやる分、マニュアルをじっくり読み解く余裕もある。特に行き詰まることなく、目の前の爆弾を一つ解除することができた。
……まったく面白くない。
モジュールのギミックについて考えることは変わらない、時間制限のある中で爆弾を解除する緊張感も変わらない、はずだ。なのにまったく面白くない。そこで改めて気が付いた、このゲームの面白いところは「同じ画面を共有しないで遊ぶ二人用ゲーム」という状況から生まれた独特の面白さだと。一人プレイの単調さと比較して、それがよくわかった。以下その面白さについて、箇条書きでまとめてみる。
- 一人で爆弾解除するのは、単なる「作業」や「処理」でしかない。
- 互いに持っている情報をどのように交換するか、それをどのように表現してゆくか、どのように困難を乗り越えてゆくか、という共同作業が面白い。
- プレイしている時の緊張感を「共有」できることが面白い。
- 互いのコミュニケーションの中で、見えないこと、わからないことが、段々と明らかになってゆくことが面白い。
二人(以上)が揃ってこそ、成り立つコミュニケーションの面白さ。それをゲームで遊べるという、なんとも感慨深いソフトだと思う。また一緒に遊べるチャンスがあれば積極的に持ち出してゆきたい。