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レポ:ゼノブレイド2サントラ発売記念トークショー

ゼノブレイド2クリアしました……

   

Xenoblade2 (ゼノブレイド2) - Switch

Xenoblade2 (ゼノブレイド2) - Switch

 
ゼノブレイド2 オリジナル・サウンドトラック

ゼノブレイド2 オリジナル・サウンドトラック

 

 

2018年5月23日に発売された「ゼノブレイド2 オリジナル・サウンドトラック」の発売記念イベントを観覧してきました。場所は新宿のタワーレコード。 

東京会場で登壇予定の方々は、ゼノブレイド2の作曲を担当された全4組5名!

光田康典さん、ACE(工藤ともりさん、CHiCOさん)のお二人、平松建治さん、清田愛未さんでした。この皆様は前作『ゼノブレイド』でも参加されていたので、実際にお会いしてお話をきくのがとても楽しみでした。 

トークテーマは、事前にサントラを購入した人が店員さんにアンケート用紙を頂き、店内に設置したアンケート回収BOXに投稿。トークショー内に登壇された方々が順にBOX内から1枚ずつひいてゆき、記入された内容についてトークするという方式でした。

 以下にトークテーマとそのトーク内容及びその時の感想を述べてゆきます。

(以下敬称略) 

 

  

ゼノブレイド2の音楽を作っていたときの気持ちを教えてほしい

ともり:とにかく作品にのめりこんで作っていた

CHiCO:曲製作中はとにかく楽しかった

平松:(自分が)ゲームを遊んだときに楽しいと思えるような曲を作ろうと思った

清田:しめきりを守らなきゃ……

光田:忙しすぎて覚えてない……気がついたらできていたので、小人が作っていたのでは

 

ゼノブレイド2作曲チームは仲いいなあって思いました。音楽総合プロデューサーを光田さんが努め各メンバーと連絡を取りながらという話もあり、いいコミュニケーションがとれているチームだと感じました。(ちなみに豪華版サントラ付属のブックレットによると、清田さんが誰よりも早く楽曲制作を終えてたとのこと)

 

・作曲する時に心がけていること、ルーティンなどがあれば教えてほしい

CHiCO:曲の方向性などはACEの二人でとことん話し合って決めている。強い言い合いになってしまうことも…… また新しい曲を作るときは、自分たちにとって”新しいこと”を何かしらするようにしている

平松:ゲームの曲はプレイ中に何度も繰り返し聴くものなので、何度きいても飽きないように作った。またプレイ中は主人公=プレイヤーなので、プレイヤーの気持ちをグッと後押しする曲をつくろうと心がけた。

(ルーティンについて)行き詰まったときはシャワーを浴びて気分転換する、シャワー中に思いついたらとにかく忘れないようにしながら髪の毛を乾かしてそのままメモしたりボイスを録音したりする

清田:自分を出しすぎないようにする。ムービーなどを作った人たちのねらいから外れないようにするということ。ゲーム内の映像に合うように作る。

行き詰まったときはネコをもふもふして癒されています。

ともり:CHiCOが話してくれた通り、個人的には日常生活でも同じことを繰り返しすぎない(取り込まない?)ように心がけている

光田:製作するときに毎回自分の中でテーマを持つ。そのテーマを上手にゲーム内に取り入れてゆくか、ということに尽力する。ゼノブレイド2でのテーマは、アヌーナが参加してくれたこともあり、コーラスワークでの新しい取り組みをする、だった。

 

各作曲者のこだわりが見れたとても面白いトークでした。特に平松さんの楽曲から「カッコよさ」などを常に感じていたので、それを本人も意識して作っているというところはとても嬉しかったです。

 

ゼノブレイド2のコンサートは開催されますか?

 光田:ぜひやってみたい……しかし開催するには人を呼ぶのも大変だった

平松:難しい譜面もたくさんあるので、ギター弾くのも大変だと思う。(レコーディングの時も大変だったいう趣旨の話)

 

ゼノギアスコンサートでの苦労を経験されていた光田さんだからこそ、コンサート開催の難しさを一番わかっていると思いました。と同時にやり遂げたときの喜びも感じているはず!?ただ皆さん口々に演奏の難しさを述べていました。大変なレコーディングだったんだろうなと。

 

・曲製作にあたってフィールドの開発画面とかゲーム画面はみたか

清田:みた!マップを見ながらつくった

光田:開発中のゲーム画面をみて作ることができた。キャラクターや物語の内容についても知れた(作った曲がゲーム後半のことであることも関係していたと)

清田:実際に曲が使われるムービーを見ることもできた。既にキャラクターボイスがついているものもあった。

光田:事前に資料を参照しながら作れるので、とても作曲しやすかったと思う。モノリスソフトはとてもたくさんの資料をいただける。

 

こちらもブックレットに書いてあることですが、清田さんはある程度開発が進んでから作曲依頼がきたこともあり、映像や資料がある程度揃っていたということもあり、作曲しやすかったと話されています。コレクターズエディションの設定資料集などでも大量の資料があるようにモノリスソフトはたくさんの資料を提示しゲームの世界や物語に合った音楽を作れることを大切にしていたと思います。

 

・『ゼノブレイド』と『ゼノブレイド2』の楽曲で違うところはあるか、前作の曲は意識してつくっていたか

光田:『ゼノブレイド』ではエンディング曲のみの担当だった。『ゼノブレイド2』の曲を作るにあたって、『ゼノブレイド』の曲はしっかり聴いた。その上で”ゼノブレイド”という世界観を崩さないような曲を心がけた。

ともり:『ゼノブレイド2』にあたって新しくするところ、『ゼノブレイド』の曲で得たいいところなどをそれぞれ考えながら作っていった

CHiCO:前作らしさを敢えて狙った曲もある。それにモノリスソフト側から「前作を踏襲した曲を」というオーダーがきたことも。今作のフィールドはとても個性豊かだったので、バラエティ感がでるように心がけた。

清田:2のマップはきれいだった。「ゼノブレイド」らしさというか「あっザトールのことね」とこちらで了解したりしてた、コーラスもいれた。比較的作りやすかった。

平松:『ゼノブレイド』の時も自分がプレイした時に聴いてみたい曲をつくっていた、そして『ゼノブレイド2』の話を頂いた時に、前作を越えなくてはいけないというプレッシャーを感じていた。色々作ったがスペルビアの曲は「ゲームの中盤に差し掛かったプレイヤーの心をアゲる曲」を意識してつくった。オーケストラサウンドとバンドサウンドのミックスという新たなチャレンジだった。

 

私も初報PVやニンテンドーダイレクトの時に感じていましたが、やはり前作「ゼノブレイド」らしさというところはある程度意識した楽曲があったそうです。開発陣の中でも「ゼノブレイドらしさとは?」ということは色々と話し合われていたそうです。

 

・”2”らしさや”ゼノ”らしさなどは意識したか

ともり:『ゼノブレイド』は序盤のフィオルンが〇〇する関係でダークなイメージが強かった、『ゼノブレイド2』は序盤は明るいイメージがあったので、楽曲づくりでもその明るさは大切にしていた。

CHiCO:(前述したとおり)新しいことも前作を踏襲したこともあったが、基本的には苦しみながらも楽しく作曲させてもらった。色々と自由にさせてもらったことが多い。

平松:「さらに名を冠する者たち」なども含めて自分はバトル曲担当!という思いが強かった。とにかく熱い曲を心がけた。

 清田:『ゼノブレイド』は一番遊んだ自信がある!(プレイ時間カンストした)

 

”2”にとらわれず、常に新しいことを取り入れてゆくACE、前作での経験を生かして高橋総監督のオーダーをより理解し曲を仕上げる清田さん、前作で作った自分の作品をさらに越えようともがき熱を込めた平松さん、など皆さまそれぞれの想いで作っていたと感じました。

 

 

ここで光田さんが新たにゲストを紹介する。

以降光田さんがゲストに質問を投げかける形式に。

1人目:佐々木新平さん(ゼノブレイド2サントラ収録時にオーケストラ指揮をされた)

・指揮をしてどうだった?

佐々木:とにかく曲が多くて大変だった。けれどもこれだけ個性豊かで素敵な曲を書かれる皆様なので、なんとかその個性を形にしたいという思いだった。

(ゼノブレイドコンサートやりたいという話題にふれて)生音っていいし、ぜひやりたいけれどかなり難しい譜面もあったので、本番ミスしないでできるかどうか不安でもある。

 

ゼノブレイドコンサートでグーラ領が演奏されて、みんなでコーラスを歌うのが私の夢です。

 

2人目:斎藤将嗣さん(ゼノブレイド2でキャラクター・メカデザインを担当)

 ・ジャケットデザインについて伺いたい

斎藤:ホムラとヒカリで描いてほしい、という依頼を受けていた。サントラをしっとりと聴き入っている雰囲気で描いた。何案か提出したが、二人の位置が離れているのは「一人ずつ分けて使えるデザインにしてほしい」という狙いがあった。

 

ちなみに当日は観覧だけの予定だったのに、モノリスソフトから「どうせ来るなら喋れば?」ということになったそうです。

・ゲームキャラクターの絵を描くのは大変?

斎藤:とても大変だった、特に大変だった。モノリスソフトに何度も通ってた。

光田:キャラクターの色合いがとてもビビッドだと思った。先ほど平松さんとACEさんは序盤の楽曲を明るく作っていたと話していたが、色合いも関係あると思う。僕は後半の曲が多かったのでずっと重たい曲を書いていた。

 

 


『ゼノブレイド2 オリジナル・サウンドトラック』Cross Fade Movie