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ライブレポ:令和もあの世で詫び続けた!「LIVE・A・LIVE・A・LIVE 2019 新宿編」 #LALAL2019

2019/8/31(土)に新宿Renyで行われたSFCソフト「LIVE・A・LIVE」の25周年記念ライブ「LIVE・A・LIVE・A・LIVE 2019 新宿編 ~25th Anniversary~」の夜講演に昭和の男が参戦してきました。本記事はそのライブレポになります、というか最高だったぞうおおおおおおお!!!!

余談ですが筆者は昨年開催されたLALALにも参加してます、そのライブも最高でしたが、今回も本当に最高でした。以下にライブの感想を述べてゆきます。

mtdrk.hatenablog.jp

 

 

開場から時系列に感想を挟んでゆきます。(記憶違いでセットリストの間違いがあったらごめんなさい)

 

開場前

新宿Renyは舞台からどの場所も近いのでとてもいい感じ。時田さん命名「ライブアライバー」が続々と会場内に集まってくる。いつも思うけど、こういったライブの時「今、ここに集まっている人のほとんどがライブアライブ大好きな人たちなんだよなぁ」と考えると本当に幸せな気持ちになる。奇跡だと思う。見回すと昨年よりも女性の参加率が高めのような気がする。女性も気軽にライブに来れるようになったのかなぁなどと考えていると、ライブの諸注意を時田貴司さんが行っていた。昨年と同じように今年も「あの世で俺に?」「詫び続けろ!」のコールアンドレスポンスが行われて場内はヒートアップしてゆく。なぜか現代編の主人公、高原日勝のレベルアップボイス\イェア!!/が会場内のそこかしこで聞こえてくるという異様な事態にみんなニコニコ顔。今日はまさにLAL新宿編である。

 

01. SELECT・A・LIVE

02. LIVE・A・LIVE

ライブで演奏されるのは昨年に引き続きLaiD Back Gollira の皆様。筆者が2年連続のライブ参加を決めた理由は、今年もLDBGが演奏されることが決まったからだ。何といっても演奏技術の高さ。昨年圧巻の演奏をしてくれたLDBGの演奏が楽しみでしょうがなかった。ただ、まったく不安が無かったわけでもない。LALは25年前に作品が生まれ、その後移植はされたものの、続編やリメイクなどは行われていない。つまりはセットリストも昨年とほぼ同様の流れになるのでは、ということが予想できた。

さていったいどんなライブになるのだろう、といった小さな不安はライブが始まった瞬間に消え去った。「SELECT・A・LIVE」から静かに始まるとそのままギターのチョーキングで聴きなれた「LIVE・A・LIVE」のメロディがゆっくり響き渡っていく。ここから新しい伝説が、物語がはじまってゆく。そんな予感を大いに感じさせる25周年の開幕にふさわしい堂々とした演奏からはじまった。余談だが、今回LDBGに新たに参加したギターの森空青さんは大のLAL好きで、参加が決まった時に「このライブに人生をかけます」とまで話していたらしい。誰よりもLALを愛する男のギターは時にクールに、そして常に全力の燃えるようなギタープレイだった。

 

03. 最強 -VICTORY ROAD-

04. Versus!

05. KNOCK YOU DOWN!

静かなオープニングからはじまってまずは現代編!ここからサックスで参加された朝岡周さんが登場して会場を煽りたてる、それに応えるように盛り上がるフロア!朝岡さんのサックスプレイはとてもパワフルで「KNOCK YOU DOWN!」の戦う強さをこれでもかと見せてくれた!

 

06. Unseen Syndrome

07. 星屑のキャプテン

現代編の勢いそのままにSF編へ。「Unseen Syndrome」は去年は嵐のようなプログレッシブロックのそれだったけど、今回は割と原作に寄せたベース音をメインに据えた緊張感のあるものに。筆者はSF編は「無音の時間を恐怖の演出として効果的に用いている」と思っているので、ライブの中でもアレンジが難しい類だと思っていたけれども、今回は演奏が一瞬フッと止まってその無音の恐怖さえもアレンジに取り込んでいたのが見事。明らかに昨年よりも”ロケハン”の成果が出ていると思った。トークショーで時田さんが「『Unseen Syndrome』の時だけ、みんなどうやってノったらいいのかわからない感じだよね」と話していたけども、それだけじゃないです時田さん。あの曲はとにかく”怖い”のだ。あの曲を聴くとゲームプレイ時の恐怖が襲ってくるんだ。「星屑のキャプテン」を聴いて明るくなったところでそのまま近未来編へ!

 

08. Wait for Truth

09. PSYCHOで夜露死苦!!

前曲から引き続き明るめのムードに合わせるように、「Wait for Truth」は”歩くような速さで”原曲よりもゆったりとしたアレンジで進む。サックスの音色が加わるだけでグッと都会のイメージが沸き上がるのが実に近未来編の世界観と合っていい。心地よく横揺れしながら聴いていると、ドラムの岡島俊治さんがテンポを上げてゆく。スピード感を増す中、森さんが再びギターをかき鳴らすと超絶かっこいい「PSYCHOで夜露死苦!!」がはじまる!ゴリゴリのギターとパワフルなサックスの共演はカッコよかった!!

 

10. いいお天気でしょ!

11. Kiss of Jealousy

バンドマスターAKIRAさんのMCを挟んでクールダウンした後に原始編へ。ここではキーボードの井上薫さんをフィーチャーしてしっとりと「いいお天気でしょ!」を披露。LALには珍しい明るい曲を軽やかに弾いてゆく井上さんはクールだけど時折みせる笑顔が素敵でした。ゴリゴリのロックが鳴らされる中で井上さんのソロはとても優雅で気持ちよかった。穏やかな気持ちから再びペースアップした中でバトル曲の「Kiss of Jealousy」に。LALは様々な世界を巡るゲームなのでテンポもリズムも様々なのだけど、それをベースのAKIRAさん、ドラムの岡島さんが違和感なく曲間を繋いでゆくので実に気持ちよく曲を楽しむことが出来た。改めてLDBGのメンバーの演奏技術の高さをしみじみ感じる次第だった。

 

12. WANDERER

13. THE WILDS

プロデューサーの時田貴司さんが登壇されてご挨拶。そしてゲスト奏者のYOKOさんをご紹介。この方なんと2018年口笛世界大会の優勝者と!そしてLALで口笛とくれば勿論西部編である。ここはバイオリンのテイセナさんも加わり、アコースティックギターそしてカホンをそろえてガラリと編成を変えて演奏された。とにかくYOKOさんの口笛が凄い。「WANDERER」の最初の一音から会場の空気をググッと掴みこんで心が演奏に包まれてゆく。音楽を聴いて会場が一つになるあの感覚、それを瞬時に体験できたのは大きな感動だった。感動冷めやらないままテンポを上げてバトル曲の「THE WILDS」に行ってもYOKOさんの口笛の勢いは止まらず、高音も伸びも自由自在に披露してゆく。YOKOさんの口笛に寄り添うように掛け合いをしてゆくテイセナさんのバイオリンが心地よく、またアコースティックに持ち替えた森さんともう一人のギターの本間大健さんのそれぞれのギタープレイの違いが感じられてとても気持ちいい。本間さんのつまびらかな演奏がとても心地よかった。2曲を終えて盛り上がる中、岡島さんがカホンを馬が掛けてゆくように演奏してゆき、そしてさらにもう一曲がはじまった。

 

14. MEGAROMANIA

昨年のHIDE×HIDEの「MEGAROMANIA」に続いて、今年は口笛をフィーチャーして大胆にアコースティックアレンジされた「MEGAROMANIA」だが、これが抜群によかった。これまで聞いたどんな「MEGAROMANIA」よりもダイレクトに心に響いた。聴いた瞬間から涙が止まらなかった。各章のボス戦、ということもありゲーム内での「MEGAROMANIA」はかなりヘヴィで感情の渦のような激しさが特徴的な曲だ。それがどうだろう、このアレンジからはそこに含まれていた戦うものの哀しさや辛さ、憎しみというヴェールで隠されていたそれらの感情を見事に表現していた。YOKOさんの口笛がとにかく素晴らしい。心の隙間にスッと入り込んで染み渡るようなそんな魅力がある。これまでなかった大胆かつ見事なアレンジ、この曲が持っていた魅力を明らかにしてくれた見事な演奏に観客からは拍手喝采。最高だった。とにかく最高だった。ありがとう。

 

トークショー&ライブドローイング

再び時田貴司の登壇。続いてLALの作曲を担当された下村陽子さんも登壇。ファンの声援に明るい笑顔で答えるチャーミングな姿が印象的だった。さらにゲスト紹介が続く。現代編のキャラクターデザインを担当された漫画家の皆川亮二先生、そして功夫編のキャラクターデザインを担当された漫画家の藤原良秀先生を迎えて昨年同様ライブドローイングのコーナーとなる。この間にトークショーも同時に行われることになり、先ほど見事な口笛を披露されたYOKOさん、そしてゲストとしてお笑い芸人のペンギンズ・ノブオさんも登場。自身も大のゲーム好きでYouTubeのゲームチャンネルを開設したり、TVでも様々なゲーム関連の仕事をする愛に溢れた芸人さんだ。「今日はファン代表の気持ちで来てます(笑)偉大な二人に囲まれて恐縮なので、お守り代わりに持ってきました」と当時ノブオさんが使っていたLALの攻略本を披露。またトークショーで「どうやって戦うの?という義破門団員」のポーズ物真似を見事に披露するという、この日この時この仲間でないと笑いあえないネタもやり切り、フロアに集まるファンと同じ目線でトークもして盛り上げた。

ドローイングがはじまると時田さんから「実はもう一方スペシャルゲストからメッセージが届いてまして」というアナウンスがあり、舞台後方のスクリーンに映像が映し出される。なんと近未来編のキャラクターデザインを担当された漫画家の島本和彦先生がビデオレターで登場!直前まで出演予定だったが、参加できなくなってしまった為急遽ドローイングの映像を送ってくださったとのことです。無法松を液タブで描いてゆく島本先生の後ろでは、なんと島本先生自身がシャワー室で歌った「GO!GO!ブリキ大王」が流れてくる!感情の昂ぶりが天元突破した中歌ったので、歌うキーを間違えてしまったのは先生のご愛敬。最後は怪音波みたいになりながらも熱い魂で歌いきる島本先生はやはり漢であった。そしてドローイングには参加されなかったものの、SF編のキャラクターデザインを担当された田村由美先生がこの日の為に描いてくださったお祝い絵も披露されて会場は拍手に包まれた。

  

15. 密命

16. 忍音

17. 殺陣!

大盛況のうちにライブドローイングが終わり、再びライブパートへ。和風なイメージが強い幕末編だったが、サックスを中心にメロディが運ばれたアレンジはとても都会風なイメージにガラリと変わる。井上さんとなかむらえいじさんの二人のキーボード演奏がそれを支える。なかむらさんが奏でるキーボードは原曲の音色に合わせたものも多く、都会のイメージにしっかりと原曲の良さを残してくれていました。繰り返しになりますが、今回のアレンジは目を見張る物ばかりです。それぞれの曲そのものの魅力に気付かされることだらけでした。

 

18. 鳥児在天空飛翔 魚児在河里游泳

19. 在中国的戦闘

ゲーム開始時から選べるエピソードとしては最後に披露されたのは功夫編。ここはバイオリンのテイセナさんがリードしてしっとりと。胡弓にも似たバイオリンの音色がとても心地よく、テイセナさんが軽やかに伸びやかに奏でてゆく。それぞれの奏者の個性がいかんなく発揮されて、なおかつ皆とても楽しそうに演奏されているのがとても気持ちよかった。こうなると次は功夫編の「MEGAROMANIA」を期待してしまった筆者だったが、是非とも来年も開催してほしい。そしてゆくゆくはすべての世界の「MEGAROMANIA」を集めてほしいと思った。まだまだ奥深いぜこのゲームは。

 

20. 届かぬ翼

21. 凛然なる戦い

22. 魔王山を往く

ライブも終盤へ。残された中世編に進む。「凛然なる戦い」は昨年はスラップベースがかなり前面に押し出されていたけど、今回はバイオリンとサックスの掛け合いがメインに。後半はベース・ドラムスの二人もソロパートがあるなど、奏者全員の一体感が強くなっていく楽しさと同時に、ゲームの物語が佳境へ近づいてくる緊張感が高まるのを感じていた。

 

23. ILLUSION...

24. PURE ODIO

25. MEGALOMANIA

全てのボスと戦いあってからの、ピュアオディオとの対戦へ!「ILLUSION...」ではテイセナさんの弾くバイオリンから怪しい音色、奏でられる「魔王オディオ」のフレーズ、その怪しさのまま「PURE ODIO」は今回のライブで一番LDBGっぽい演奏だったと思う。盛り上がりの中に光る各演奏者の高い技術。そしてそのままの勢いで本日二度目の「MEGAROMANIA」はすべての奏者がフルパワーでぶつかり合う力のせめぎあい!朝岡さんが煽れば森さんが応える。各奏者の魅力をこれでもかと詰め込んだ演奏に会場は大きく盛り上がった。

 

26. Live for Live

興奮冷めやらない会場にAKIRAさんが挨拶とメンバー紹介を。2時間超のスタンディングライブにも関わらず観客の元気は収まることがなかった。ここまではずっと奏者側のことを述べてきたが、このライブは参加した観客が皆とてもサイコーだった。ゲーム音楽ライブだとインスト曲が多く、皆心の中では盛り上がってもそれを声に出したり拳を振り上げて身体で表現して盛り上がるシーンは少ないイメージがずっとあったし、実際に筆者もそこで「もっとみんなと盛り上がりたい!」という歯がゆい気持ちを感じていた。ところが今日の観客はどうだろう、「あの世で俺に?」\詫び続けろぉ!/等のコールアンドレスポンスも完ぺき、しかも観客の方からとてもいい感じのヤジも飛び出して会場全体が笑顔に包まれる、舞台上のメンバーが煽ったことに対し、皆全力で声を出し、こぶしを振り上げそこにいる全員で音楽を感じ、盛り上がっていた。一糸乱れることなく、かつ皆がそれぞれ自由に音楽を楽しむことが出来る最高の空間だった。

最高の雰囲気のまま最後の曲「Live for Live」へ。各キャラクターの曲がメドレー形式で流れてゆく。西部編のパートにはYOKOさんも登場し再び口笛を披露!曲の最後にはそれぞれのソロパートも披露!これまでも楽曲の中で各パートが光るアレンジをしながら彩ってきた演奏の総決算のようにかく奏者が動く!輝く!会場を盛り上げてゆく!ゲームのエンディングと同じようにそれぞれの個性が強く光、かつ誰の胸にも昇ってくる朝日の輝きを表現しているようなラストでした。(ちなみに各キャラクターのパートでしっかりとオルステッド編のテーマも入れ込んでくれたことにグッときました)

 

アンコール

GO!GO!ブリキ大王!!

 大きな拍手と時田コールに包まれて、みたび時田さん登場。これまで登場したメンバー全員及び当時のスクウェア開発部の岡宮道生がギターを持って登場!最後はやっぱり時田さんご自身でマイクを持ち会場全体で「GO!GO!ブリキ大王」を大合唱!後ろのスクリーンに歌詞を表示してくれたのが嬉しかった。最後の最後の最後まで全力で大合唱できたことは本当に嬉しい。いつの時も心の中にブリキ大王を。辛い時はいくつもの世界を乗り越えてきた彼らの物語を思い出すといいのだろう。発売から25周年のゲームがこうやって愛され、そして昨年よりもさらに大きな規模でライブが開催されて最高に盛り上がる。こんな幸せなことは無いと思う。ぜひ来年も、これから先にも期待したい!!ありがとう!!と叫び続けたライブだった。最高だった。

最後になりましたが本当に関係者の皆様ありがとうございました。

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