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コンサートレポ:「OCTOPATH TRAVELER Break,Boost and Beyond」夜講演 #オクトラBBB

2019/7/28(日)にオリンパスホール八王子で開催された、ニンテンドースイッチ用ゲームソフト「オクトパストラベラー」のコンサート「OCTOPATH TRAVELER Break,Boost and Beyond」の夜講演を観覧してきました。本記事はそのレポートとなります。オクトパストラベラーは、スクウェア・エニクスから2018年7月に発売された新規タイトルで、ソフト発売から僅か一年でコンサートが開催された運びです。(筆者はまだ裏ボス討伐できていませんが)とても素敵なRPGなのでぜひ遊んでください。

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  • ピアノ小編成とロックバンドアレンジの両者が同時に楽しめる贅沢さ
  • ゲームプレイを思い出す素敵な光の演出
  • 次作への期待が高まる希望溢れる楽曲たち

 本コンサートは、2019/2/20に発売された「OCTOPATH TRAVELER Arrangements -Break & Boost-」の楽曲を中心に演奏されました。ゲーム中の楽曲をピアノ小編成とロック調にそれぞれアレンジしたコンセプトアルバムです。コンサートでは収録された楽曲+αを演奏するために、ピアノからバイオリン、チェロの編成とエレキギターやドラムなどが入れ替わって舞台に登場するスタイル。毛色の違うアレンジを同時に楽しめるとても贅沢なコンサートでした。また、オリンパスホールの音響がとても良かったと思います。どちらの楽曲も聴きやすかったので。

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以下演奏曲目順にコンサートを振り返ってゆきます。アルバムのアレンジに倣ってBreak(ピアノ小編曲)、Boost(ロック調)、Beyond(初アレンジ曲)と表記してゆきます。

 

第1部

01.OCTOPATH TRAVELER~メインテーマ~

02.フロストランド地方

03.バトル1

先に紹介したアレンジアルバムでラストを飾ったメインテーマ曲からコンサートはスタート。舞台の後方壁をスクリーンにしてゲームのオープニング画面を流しながら、エレキギターが優雅にメロディを奏でてゆきます。原曲の、段々と音が重なり合ってゆくオーケストラ調もとても素晴らしいですが、こちらの大空を翔けるような実に清々しいアレンジも聴いていて心地よかったです。「フロストランド地方」が演奏される直前、舞台上に薄いスクリーンが奏者の前に静かに降りてきます。すると、演奏が始まると同時にスクリーン上にライトで雪が降る演出がはじまります。後ろのゲーム画面に重なって、まるで雪が立体的に浮かび上がって目の前に振ってきます。オクトパストラベラーで紹介された「HD-2D」という画面演出を再現する、とても粋なものでした。この演出は「バトル1」以降も使われ、バトル時の「BREAK」表示が浮かび上がるなど、ゲームプレイしている時の感覚を思い出させてくれる、まさにゲーム音楽コンサートならではの楽しみ方が冴えわたっていました。

04.崖下の村オアウェル

05.赤き断崖の集落

06.学問の都アトラスダム

編成を大きく変えてBreakの曲を演奏。「崖下の村オアウェル」で演奏されたクラリネットがとても優しくて聴き惚れていました。ちなみにクラリネットを演奏されたのはバンドマスターの吉田篤貴さんですが、コンサート中はバイオリン2本、ビオラ1本、クラリネット1本のなんと4つの楽器を担当する八面六臂の大活躍でした。「赤き断崖の集落」ではフィドルとギターの掛け合いがとても力強く、躍動感のある演奏でした。(まさか本当に人間が演奏できるんだ……)という感想をもってしまうほどの、高速演奏にビックリ。どの演奏者の方も素晴らしい演奏技術であり、またそれぞれの楽曲にソロパートも多く用意されていて、参加された方それぞれが輝いていたコンサートだと思います。「学問の都アトラスダム」はアレンジを初披露。バイオリン、チェロ、ピアノの小編成なので、原曲よりもよりメロディが際立って聴くことができました。オーケストラで奏でられた原曲ではとても優雅な印象でしたが、アレンジを聴いた時に気付いたのは、優雅な中に色気を感じたところです。それはまるでサイラスが無意識に振りまいている優しく寄り添うような色気。思わずうっとりと聴き惚れていました。 

07.決意

08.宝物のために ~ 09.ボスバトル2

ピアノとビオラの掛け合いが儚くも緊張感のある「決意」を彩ります。アレンジアルバムと同じように、曲リピートの時にガラッと印象を変えたパートを挟み込んでいましたが、両者とも躍動感のある演奏が印象的でした。ゲーム中さながらのバトルエクステンド演出はトレサの「宝物のために」を挟んで、荒々しく原曲の勢いそのままに「ボスバトル2」の登場!原曲の時はとにかくイントロのキメがカッコいい印象でしたが、2人のエレキギターが共に力強く引っ張ってゆきます。Boostはどれも激しい曲ばかりでしたが、どの曲でも光っていたのはドラムの演奏! あれだけド派手な演奏に負けないほどの安定感と存在感のあるドラムはとても心地よかったです。(筆者は端っこの席だったので見えなかったのですが、演奏している今井義頼さんはスティックを回したりするなどパフォーマンスもかっこよかったとのこと)

10.理を司る者

11.OCTOPATH Character Theme Medley Beyond

Boostの曲はどれも大胆に激しくアレンジされた曲なのですが、「理を司る者」ではそのアレンジアルバムでアレンジされた通りの、バイオリン&チェロとエレキギターがバトルをしているような激しい演奏が目の前で繰り広げられて大興奮でした!バイオリンは吉田さんと須原杏さんが時に交互に時に重なりながら、エレキギターは青木征洋さんとSekuさんが共に舞台前に出て演奏されている姿がとてもかっこよかったです。第1部最後はキャラクターのテーマをメドレーで。トレサとプリムロゼ、アーフェンとハンイットがそれぞれお気に入りです。原曲はキャラクターごとにイメージを固めて使った楽曲も異なっていたのですが、こうしてメドレーで聴いても違和感がなく、かつそれぞれの個性がしっかりした楽曲たちなのだと再認識した次第です。オクトパストラベラーの曲は主旋律がとても覚えやすいキャッチ—なメロディが多いので、親しみやすく楽しめるだろうかと思った次第です。その辺りも西木さんはじめ作曲チームは意識していたみたいで、来場者特典の音楽手記にまとめられていました。この音楽手記の原本は西木さんのnoteにまとめられているので、ぜひ読んでみてください。

note.mu

 

第2部

01.街は川と共に生きる

02.洞窟ダンジョン~地下道ダンジョン

休憩を挟んで第2部へ。初披露の曲が2つ。ダンジョンメドレーはB&B未収録なので便宜上Beyond扱いにしていますが、編成はピアノ小編成となってます。ガットギターの優しい音色が心地よい「街は川と共に生きる」は光の演出も相まって川のせせらぎやきらめきが目に浮かぶようでした。原曲ではアコーディオンも使われているので、もし次回のコンサートがあればぜひそちらも聴いてみたいです。

03.師匠のために ~ 04.旅路の果てに立ちはだかる者

ハンイットのバトルエクステンド曲「師匠のために」から緊張感を高めて、各キャラクターラストボス戦の「旅路の果てに立ちはだかる者」がお披露目。原曲の「強敵に立ち向かう主人公たちの潔さ」はそのままに、よりヒロイックに、よりパワフルなロックアレンジで圧倒してゆきました。これだけ激しい曲なのに、曲のテンポは原曲そのまま、もしくはそれよりも速く感じるほどです。

05.大陸の覇者より~バトルアドバンスト

開発中のシリーズ最新作「OCTPATH TRAVELER 大陸の覇者」より新曲がお披露目。新作も西木さんが曲を担当することなのでそちらも楽しみ。曲の合間は西木さんが主に務められていたのですが、その際にプロデューサの髙橋さんも来て「次作も頑張ります」といった趣旨の話をされていたので、今回のようなコンサートや次回作にも期待したいところです。何といっても、まだ発売して一年たったばかりの新規タイトル。それがこんなにたくさんのファンと素敵な演奏者さんはじめ多くの方が集まって、こうしてコンサートが実現できているのだから、これは本当に素晴らしいことだと思います。愛と声援と努力が一体化しているのはとてもいい。 

06.フィニスの門

07.魔人の血を継ぐ者

コンサートの最後はラストボス戦までの曲を激しく。(筆者はまだここまでプレイできてないのでまた違った楽しみ方が出来たと思います) 緊張感を保ちながらフィニスの門を越えて「魔人の血を継ぐ者」はロックアレンジというよりプログレッシブロックというかシンフォニックロックというか、バンドメンバー全員集合して激しいバトルが繰り広げられていました。原曲はコーラスが入ったものですが、それをエレキギターはじめ各パートが入れ代わり立ち代わり激しくソロで演奏しながら進んでゆきます。バイオリンとエレキギター、そしてピアノとドラムが絡み合うコンサートって余り記憶にないのですが、これが実現できてしまうからゲーム音楽は凄いなあと興奮しながら聴いていました。

 

アンコール

01.踊子プリムロゼのテーマ

02.ボスバトル2

万雷の拍手を受けて、一転再びピアノ小編成に戻ってBreakから2曲。筆者がとても楽しみにしていた曲なので嬉しかったです。チェロの内田麒麟さんの演奏が見事。チェロってこんなに激しく音が上下するんだ、と驚いてしまうほど。またそれまでの曲にもありましたが、吉田さんと内田さんのピチカートがとても心地よかったです。BreakとBoostのどちらも披露された「ボスバトル2」はコンサート終盤とは思えないほどの巧みな演奏がカッコよかったです。緩急の効いたアレンジがまた素晴らしい。

03.OCTOPATH TRAVELER~メインテーマ~

アンコールの最後には脇坂真由さんを迎えてメインテーマのボーカル付きアレンジ。以前ファミ通のインタビュー 「ボーカルアルバムをやりたい」と話していた西木さんの希望が実現した形となった。伸びやかな脇坂さんの声と、演奏、そして観客の手拍子が一体となってコンサート会場に響き渡った。それはまるでこれから先のオクトバストラベラーの行く末を暗示しているような、希望に満ち溢れて力強く前へ進んでゆく曲だった。繰り返しになるけれども、発売してからまだ一年。たったそれだけの期間でここまでこれたオクトパストラベラーのチームだからこそ、これから先の展開にとても期待したくなりました。観客は勿論、舞台上の関係者の皆様が皆笑顔になれた、とても素敵なコンサートでした。本当にありがとうございました。

なお今回初披露された楽曲が収録されたCDが後日発売予定で、さらに今回のコンサートが映像化されるとのことです。興味があればぜひ予約を。

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(おまけ)

贈られていたフラワースタンドが素晴らしかったのでパシャリ。リンデもいる!

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