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ライブレポ:最高のライブに異議なし!「逆転裁判LIVE~OBJECTION! 2019~」 #逆転裁判LIVE

2019/7/14(日)に渋谷のTSUTAYA O-EASTで開催された、「逆転裁判LIVE~OBJECTION! 2019」を観覧してきました。大盛況だった去年のLIVEから丸一年、会場も去年より大きくなり大幅にパワーアップして帰ってきたLIVEは、演奏も様々なイベントも、そしてファンのボルテージも大盛況で最高のライブとなりました。本稿ではその様子をお届けします。

なお、筆者は昨年行われたライブにも参加しています。昨年の記事も併せてご覧いただけると幸いです。 

mtdrk.hatenablog.jp

 (この記事の概要)

  • 逆転裁判」シリーズをほぼ網羅した理想的なセットリスト
  • ファンも熱いが演者も熱い!豪華ゲストとパフォーマンス
  • ガリューウェーブまさかの新曲披露!?
  • 変幻自在に彩る光の波にファンの愛が溢れた

 セットリスト順に当日の盛り上がりを振り返ってゆきます。  

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開演前の諸注意アナウンスではイラストレーターの岩元辰郎さんがご挨拶。オールスタンディングなので皆でお互い助け合って盛り上がっていこう、と優しい挨拶。逆転裁判シリーズは2001年に初代が発売された息の長い作品ということもあって、会場のお客さんも広い世代で、また女性のお客さんがとても多い印象、終始朗らかな雰囲気のライブでした。

ライブで演奏される曲のコール&レスポンスの練習を少し行い、バンドマスター岩垂徳行さんへの挨拶を皆でしてから、いざ開演。 

 

01.成歩堂龍一異議あり! feat.ジャスティ

02.希月心音 ~法廷の革命児 feat.ジャスティ

シリーズおなじみの「成歩堂龍一  ~異議あり!」からスタート。バンドの後ろのモニターにはゲーム画面を映しながら、今回のスペシャルバンド「ジャスティス」が力強く演奏してゆく。メンバーは昨年のライブと同じ。なんとライブ当日が誕生日で、メンバー紹介でハッピーバースデーのお祝いをされたベースの蓮池真治さん、物静かでマイペースだけどギターソロは熱い福田真一朗さん、還暦を迎えてなおパワフルなドラムを披露するローズ堀口さん、そして逆転裁判シリーズで作曲も担当しているバンドマスターキーボードの岩垂徳行さん。

異議あり!は逆転裁判5の頃(2013バージョン?)を下敷きにしてキーボードとギターが交互にメロディをなぞるとても気持ちいいものでした。名曲は何度アレンジされても素敵です。

曲が心音ちゃんに変わると、会場のペンライトが一気に黄色に!この辺のペンライトの色変えの速さは、シリーズをとてもよく知っているファンの多いライブならでは。この曲に限らず、曲ごとに色を変えて会場を彩った様々な光の波が生まれたこの場にいることができて本当に嬉しかったです。曲はとてもヒロイックで凛々しい心音ちゃんにぴったりのアレンジ。

 

03.亜双義一真 ~使命のサムライ feat.ジャスティ

04.成歩堂龍ノ介異議あり! feat.ジャスティ

 ゲストにアコーディオン奏者の藤野由佳さんを迎えて大逆転裁判の曲を演奏。なんと藤野さんはこの日の為に亜双義一真のコスプレをして下さるほどの熱意!詰襟の学生服に長くたなびく赤の鉢巻、腰に携えたひと振りの刀(腕章は自作したとのこと!)、その姿はまごうことなき亜双義一真その人でした。

やる気十分の藤野さんを迎えて演奏されたのは亜双義のテーマ、龍之介の異議あり!、藤野さんがアコーディオンを大きく揺らしながらメロディを奏でていました。大逆転裁判の楽曲が製作された時は、ゲームの時代背景を描写する為に電子楽器はほとんど使用されなかったとのことですが、こうしてバンドアレンジされたものでも違和感なく楽しめました。それは曲そのもののメロディが「和」を連想するたおやかなものであること、そして何より藤野さんのアコーディオンの音色があったからこそだと思います。この先大逆転裁判の曲が演奏される機会があるならば、藤野さんのアコーディオンは不可欠だと思えるほどでした。

(余談ですが、筆者は最近大逆転裁判2をクリアしたこともあり、最推しの亜双義一真が演奏され、スクリーンに映し出された時点で号泣していました)

 

05.ゴドー ~珈琲は闇色の薫り feat.ジャスティ

06.綾里真宵 ~逆転姉妹のテーマ feat.ジャスティ

素晴らしい楽曲が演奏される中、ここでゲストとして逆転裁判シリーズの製作に関わった開発陣の方々が登壇。江城元秀さん(逆転裁判シリーズプロデューサー)、巧舟さん(逆転裁判シリーズ 企画・脚本など)、山崎剛さん(逆転裁判・検事シリーズディレクター)のお三方が開発当時の思い出話などを披露してくださりました。江城さんがゴドーのお面をつけたりするなど終始にこやかなムード。途中からは岩元さんも参加され、なんと今年も曲を聴きながらのライブドローイングを披露してくださいました。逆転姉妹の演奏に合わせて描かれていく綾里一族のイラスト、とてもかわいらしくて素敵でした。ドローイング中に、演奏していた岩垂さんや福田さんがこっそりイラストを覗きにきてちょっかいを出す……というお茶目な場面を見ながら笑顔の絶えない時間でした。

 

07.狼士龍 ~狼子、曰く! feat.ジャスティ

穏やかな雰囲気から一変して、重たくハードな曲の登場。昨年のライブではなかった初披露曲です、福田さんのギターソロが冴える!クールな印象の福田さんですが、ここはかなりハードにギターをかき鳴らしていた印象です。あんなに難しそうな曲をさらっと演奏する福田さんカッコいい。この曲に限らず、どの曲もそれぞれのパートにソロが用意されており、演奏者がソロを披露するたびに観客から歓声が飛び交ってくるという、終始盛り上がり続けたライブだったのが印象的でした。素敵な演奏に対して拍手や歓声が沸く、それが伝わったように演奏者の笑顔がこぼれ演奏に熱が加わる、といった理想的なライブだと感じました。 

 

08.奉納舞 feat.霜月はるか

09.恋するギターのセレナード feat.霜月はるか

霜月はるかさんをお迎えしてボーカル曲を披露。霜月さんもまたそれぞれ担当した曲のキャラクターをイメージするような、逆転裁判6のレイファを思い出させる鈴の音、逆転裁判4のラミロアを思い出させる蒼いスツール、それらを纏い時に神聖な、時に幻想的なそれぞれの曲を披露してくださいました。

昨年のライブでも思ったことですが、奉納舞のような曲が実にバンドアレンジと合うことに少しびっくり。力強いドラムの響きと霜月さんの歌声が混ざり合ってとても心地よかったです。また恋するギターのセレナードではバックに移るゲーム画面で今年もガリュー検事のギターは無事に燃えました。 

 

10.恋の禁固刑・13年 feat.楠田敏之

11.LOVE LOVE GUILTY feat.楠田敏之

恋するギターのセレナードの後には、なんと牙龍響也役の楠田敏之さんを迎えてガリューウェーブのライブが開演!本物のガリューくん登場で会場は一気にヒートアップ。そしてなんとこれまで逆転裁判4本編で曲名しか登場しなかった幻のデビュー曲「恋の禁固刑・13年」を初披露!スカーレットのジャケットを羽織り、観客にウインクしながら美声を披露しライブを盛り上げる姿は、まさに牙龍響也そのものでした。(恋の禁固刑は歌詞が最高に逆転裁判なので、是非とも音源化してください。)また本物のガリューウェーブに合わせるように、会場のファンも一気に「逆転裁判LIVEのお客さん」から「ガリューウェーブの熱狂的なファン」に早変わり。ペンライトを深紅に染めて、「響也~!!」と歓声が飛び、MCで牙龍くんと一緒に練習した「LOVE LOVE GUILTY」の振り付けを一糸乱れず合わせて、掛け声もばっちり。ファンサを欠かさない牙龍くんの優しい人柄と、それに応える愛にあふれたファンの熱気でライブは最高潮でした。

また、曲が終わると成歩堂龍一役の近藤孝之さん、御剣怜侍役の竹本英史さんが登場し、お二人の「異議あり!」も披露。役になり切ったトークも交えてとても楽しい時間となりました。トークの中で「次は霜月さんに踊ってもらおう」「次は成歩堂と御剣にも歌ってもらおう」など「次」を意識した発言も多く、次回開催を製作者側も楽しみにしているところが垣間見れて嬉しかったです。

 

12.相棒 ~The game is afoot! feat.ジャスティ

13.大逆転の輪舞(ロンド) feat.ジャスティ

再び藤野さんをお迎えして、大逆転裁判の曲を披露!相棒は昨年も演奏されていましたが、アコーディオンが加わってますます原曲の持つ美しくてヒロイックな雰囲気が際立つものに!また大逆転の輪舞ではなんと「追求~大逆転のとき」と「大追求~成歩堂龍ノ介の覺悟」の豪華メドレーが披露されました。相棒も追求もタップダンスを踏みたくなるような華麗な旋律が印象的、そしてバンドアレンジ聴く大追求は原曲寄りますますヒロイックでカッコよく感じました。返す返すも、藤野さんの存在が大きい。上下に揺れる旋律をアコーディオンを大きく揺らし奏でてゆくことで会場を盛り上げてゆきます。 

 

14.逆転検事・御剣 SUPER BAND メドレー

15.追求・逆転裁判123 SUPER BAND メドレー

16.追求・逆転裁判456 SUPER BAND メドレー

ライブの最後には怒涛の追求メドレーで! 「御剣怜侍異議あり!2011」からの「追究 ~つきとめたくて」の疾走感のあるロックな曲が披露されました。ここで印象的だったのは岩垂さんのショルダーキーボードによる演奏。「追究 ~つきとめたくて」は昨年のライブでも演奏されましたが、今回は岩垂さんがショルダーキーボードで主にメロディを披露。原曲のイメージに近い音色になりました。またショルダーキーボードのお陰で演奏中に時々客席の方へ足を運んでくださったことが嬉しかったです。

怒涛の追求メドレーで光ったそれぞれの追求の個性。それぞれ別の楽曲なのに、ゲームプレイ中は違和感なく「これが追求だ」とわかることが凄い、とゲームプレイ中は思っていましたが、こうしてライブでそれぞれ演奏されて感じたことは、それぞれの追求の全く異なった個性が際立っているということです。1はとにかくカッコいい。上下に揺れ動くメロディが緊張感と疾走感を際立たせています。2の追求からは焦燥感を。横に揺れる心地よさがあります。3の追求はとにかくエモい。怒涛に次ぐ怒涛の物語展開に重なるように心を大きく揺さぶってきます。うって変わって4以降はキーボードが映える楽曲に。うねるようなメロディと緊張感が同居している4、徐々に盛り上げてゆく5、逆転建治2の追究を思い出させる6。怒涛の演奏とともに各シリーズの映像を見るとプレイした時の思い出が次々と思い出されてきて、盛り上がると同時にほんのり懐かしい気持ちになった。シリーズ全編にわたる選曲、そしてライブの最後にこの怒涛の演奏、走り切ったバンドメンバーに大きな拍手が贈られていました。

 

 アンコール

01.ポットディーノ ~Ethno-Rock feat.ジャスティ

 割れんばかりの拍手に応えるようにアンコール。そして去年に引き続きマンドリンを抱えてやってきた岩垂さんが、ポットディーノを2年連続で熱唱。あの逆転裁判5で歴代初、歌いながら証言をするのを100%完全再現。昨年披露された時には、あまりの衝撃で観客も口をポッカリ開けて呆然としていたが、今年は待ってました!とばかりの手拍子が鳴り響く。そして後半は岩垂さんのデスボイスと共に重たいデスメタル調に大変身!このライブで最も異様な盛り上がりをみせました。岩垂さん本当にありがとうございます、ぜひまたやってください。

 

02.大江戸戦士トノサマン feat.ジャスティス&オールスターズ

岩垂さんのデスボイスで会場が温まったところで、出演者が全員壇上に登場。そして観客席からは殿様姿に着替えたローズさんがあらわれて一気に会場全体が笑顔に包まれる。最後の最後は逆転裁判LIVEには欠かせないみんな大好きトノサマンの大合唱!大きなスクリーンにカラオケの画面を出して、みんなでコール&レスポンスしながら大合唱して、会場全体が一体となり笑顔で満ち溢れたラストになりました。 

 

あっという間の2時間ばかり。去年のライブも参加しましたが、今年はよりパワーアップして盛り上がりも去年以上のものでした。愛にあふれた、カッコよく、そして笑顔にあふれたライブは唯一無二。ぜひ次回も開催してほしい最高の一夜でした。

 (追記)

gamerの記事がアップされました。写真付きなので当日の盛り上がりを確認したいかたはこちらをご確認ください。

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