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雑記:不可逆性を恐れてしまうこと

undertaleをクリアした。幾つかルート分岐があるそうだが、とりあえずはスタッフロールにたどり着いたのでここでコントローラーを置いた。ここ数日はずっとundertaleの世界にいたいということばかりを考えていた。ゲームの世界でいろんなキャラクターと話し、同じ時間を過ごすことが楽しかった。その反面、ゲームクリアをしてしまうことを躊躇ってしまうことも多かった。この世界と、このキャラクターたちと別れてしまうことが怖かったからだ。

一度出会ってしまうと、別れが辛くなる。一度知り合った人、仲間と感じた人達との、思い出や記憶が消えてなくなってしまうことがとても辛いので、周回プレイをすることにとても抵抗がある。ゲーム内で出会ったキャラクターに自分のことを忘れられたくない、という気持ちもあるのだが、もう少し違った理由も感じている。

出会ってきたキャラクター達との人間関係を壊したくないという気持ちだ。

ゲーム内のNPCは、プレイヤーがシナリオ進行をしたり、自ら対話をしたり、イベントを発生したりさせない限り、プレイヤーとNPCとの関係性は変化することがない。一度信頼を構築すれば、そのままずっととても良い信頼関係でいることができる。

けれどもこの関係性は、一度ゲームをリセットしてしまうと消えてしまう。また、たとえゲーム内でのイベント進行選択等により関係性が悪化したとしても、イベント前のセーブデータに戻れば、悪化したことは存在しなくなってしまう。

現実は、そういうことは出来ない。

時の流れは一度として止まることなく、自分自身が出会った人たちは、自分がその人たちと離れている間にも活動しており、新たな人間関係をつくり、今の信頼関係が形も繋がり方も変わってゆく。そして常に物事は絶えず変化してゆき、決して元の場所に留まることはない。

起こってしまったことは変えられないし、それを無いものにはできない。覆水盆に返らず。

当たり前のことなのだが、それがすごく怖い。幼いころは、これから新しいことがどんどん自分の人生に起こり、そしてその分だけ自分の人生が広く豊かになってゆくものだとぼんやりと信じていた。けれども、実際はそんなに単純なことではなく、自ら広げようとしなければ広がらないし、一度築いた関係性だって、どんどん変化してゆく。自分が意のままにコントロールできることなんて、せいぜい自分の身の振り方くらいであって、それ以上はどうにもならないことだということ。そしてそういったことをほとんどの人がそれを受け入れて生きているということ。

出会ったものは、いつまでもずっとそのまま変わることなんてない。それがとても怖い。今まで出会ったキャラクターが変わらず胸の中で生きていてほしい。

けれども、そういった気持ちに大きく揺さぶりをかけてくるような、そんなゲームでしたundertaleは。まだプレイ感想はうまく書けないから、せめてゲームで感じたことについて考え続けてゆこうと思う。