プレイ感想:ゲーム発展国++
NintendoSwitchで2018/10/11に配信された、カイロソフト社の「ゲーム発展国++」を遊んだ。面白かった……久しぶりに寝食を忘れるほどの中毒性だった。マジで面白いので詳しく熱を入れて感想を書きます。
ゲーム会社経営シミュレーションゲーム。プレイヤーは社長となって社員を雇い、新作ゲームを開発してゆく。ゲーム開発は「開発ハード」「ジャンル」「内容」の組み合わせで決められる。
「ジャンル」はアクションゲームやシミュレーションなどゲームの遊びのジャンル。
「内容」は「スポーツ」「動物」などゲームのエッセンス。
これらを組み合わせてゲームを開発して、完成さて、販売して、広報活動して、また開発して……を繰り返しながら会社を大きくしてゆくのが主目的。
ゲーム内には同業他社が数社あり、ゲーム内で次々とどこかで見たことがあるっぽいゲーム機が発表されてゆく。新ハードに参入するにはライセンス料もかかる。どのゲームハードにどのタイミングで参入するか、社長の腕が問われる。
ゲームハードは据え置きハードと携帯ハードがある。どのゲームハードが隆盛し覇権をとるのか考えて参入するのもよし、自身が参入したゲームハードを盛り上げるために面白いゲームを出し続けるのもよし。ただしゲームハードは販売終了することもあるので注意しよう。
無事開発終了し販売すると、某雑誌よろしく40点満点のクロスレビューをされる。ここでの評価がその後の販売数に大きく関わるので油断ならない。精魂込めて作った愛する我が子がクソゲー扱いされるのは、思っていたよりも辛く苦しい。その悔しさを胸に次のゲームを開発してゆく……ゲーム開発は修羅の道であり博打である。ちなみに開発中に雑誌広告やテレビCMなど数多くの広告活動ができるのでそこもぬかりなく。
毎年の年末には「日本ゲーム発展大賞」というイベントがあり、その年に発売されたゲームを対象としてそれぞれ賞が贈られる。受賞すると賞金をもらえ会社の知名度もアップするのでぜひ頑張って受賞を狙おう。
どこかで見たことあるような超大作ゲームも一歩間違えればクソゲー扱いになってしまう、恐ろしいぞこの世界は。
開発スタッフはそれぞれ職業とステータスが設定されている。開発の合間に「教育」コマンドを使ってステータスアップやゲームの新ジャンル及び新内容を発見することができる。また各職業にはレベルがあり、開発で得た研究データを使いレベルアップすることが出来る。レベルを上げると能力が上がるが年俸も上がるので注意。アイテムを使えば色んな職業に転職もできる。社員を育成したり、新たに優秀なスタッフを雇ったりを繰り返しながら会社を大きくしてゆこう。
解説は以上。ここからは筆者がプレイした時の思い出を振り返ってゆく。
ネタバレ全開なので閲覧には気を付けてほしい。
初めてゲームハードに開発参入したのはセタガヤ社のウルトラドライブだった。ファミオンはライセンス料が高かった。それでも家庭用ゲームハードにゲームを作ることが出来るようになった日のことは忘れない。めっちゃ頑張ろうと思った。
気合を入れて作った「徳川の野望」は良くもなく悪くもなく……小さい会社で予算に限りがある、スタッフもまだ少数で力も十分ではないという中、いいゲームを作りたいという思いだけではダメだと身に染みて学んだ。
筆者が大好きな携帯ゲーム機ゲームボーヤに参入。ライセンス料と開発費の低さが魅力だった。世知辛い理由だが、とにかくゲームを作って売らないと社員の明日の給料すら払えないから必死だった。
会社創設期の2作品売上。いずれも家庭用ゲームハード参入前なのでPCソフト。「動物班長」はパズルと動物という鉄板の組み合わせに違いない!と思ったのに別にそんなことはなかった。
「ポケットアニマルレーシング」以降から携帯ゲームハードゲームボーヤに参入。シェアの多い人気ハードに参入したのが功を奏す。ゲームタイトルも割とまじめに考えてつけていた。けれども名前が売上に直結するわけではなかった。
25万本達成記念スクショ。ロボット物が好きなので何度かチャレンジしたけど、どれも大ヒットまではいかなかったなぁ。個人の趣味に走りすぎてしまうと売上が伸びにくかったのはちょっと悔しかった。
サウンドノベル作品「後ろに立つ少女メリー」を経て、「たたかえ!!ポケットウォー」がスマッシュヒットを飛ばして会社の規模が大きくなった。まさか自分が戦争モノのゲームを作るなんて思ってなかったし、それが当たるとも思わなかったからビックリ。一発当てると社員教育や思い切った広告宣伝もできるので、やっぱりゲーム開発は博打だと改めて感じた。どちらかといえば王道作品よりも一ひねりした作品でザ・サードパーティという日々を過ごす。
「スーパーリアルリバーシ」「どうも囲碁よろしく」などテーブルゲームで次々スマッシュヒットを飛ばす。テーブルゲームといえばホンテンドーと言われる感じになった。「とびだせ!!バーチャガンナー」からはあのVRゲーム専用機バーチャメガネに参入。当初は多くの人に受け入れらえるように「親しみ」「手軽さ」をメインに開発していたが、このころから「作りこみ」「マニアック」などをゲーム作りの肝に置き始めた。スタッフの力量が上がってきたからだ。
会社としての知名度も上がってきてファンが増える。そのファンが開発中のゲームに期待して行列を作ってくれる。こんな有難いことはない。
初のミリオンソフトは教育ソフトのスポーツ物、「俺がスポーツを教える」だった。
ミリオンヒットは出たものの、その後は当たり外れの大きいゲームの繰り返しで苦しい日々が続く。人気作の利益を元手にして渾身の一作を作るも売れず、定番のテーブルゲームを作りこめば大きくヒットする……という「作りたいゲーム」と「消費者が待ち望んでいる売れるゲーム」の差をまざまざと感じて悩む日々。ちなみに筆者にネーミングセンスは無い。
売上と作りたい作品のギャップに悩む日々を打開してくれたのは、やはり新作ゲームだった。新しいスタッフを雇用し、宣伝費をかけて、しっかりと作りこんだ本格ゲーム、タイムトラベルのRPG「ドラファンブレイドトリガー」が 初の殿堂入り。RPG好きとしてこれ以上の喜びはない。ちなみに殿堂入りしたソフトは続編を開発することが出来る。
ドラファンのヒットで自信をつけてからは、思い切った開発ができるようになり、「美男子」と「ボードゲーム」の組み合わせである「ゲッター美男子ラブ!!」の大ヒット、「徳川重里埋蔵金」の初週ミリオン達成など景気の良い話が続く。これだけ資産があるともう怖いものはない。各所から優秀なスタッフを集め、彼らを教育・レベルアップし、上位職業に転職させるなど開発チームの底上げをしつつ、ゲームの開発を平行して行う余裕が生まれた。ホンテンドーの快進撃だ。
バレーボール育成ゲームの「カルチョバビット」、アクションスパイゲームの「アクルヒニサミット スシーニイクカー」都市開発シミュレーションゲーム「うしろシティハンター」など様々なジャンルのゲームの開発にもチャレンジできる。そして売上も堅調である。昔から応援してくれるファンが支えてくれているからこそ、しっかりゲームを作りこむことができる。
新ハード「ウテンドウDM」の発表に合わせて参入。
新ジャンル「体感ゲーム」を発見するなどますます新しいゲームにチャレンジすることが出来るようになる。作りこみの高さで売上も大崩れすることなくヒット作連発。
そしてついにその時は来た。
ホンテンドー、第16回日本ゲーム発展大賞総なめ!!!!
念願のグランプリは「バッド幕末 イケてる侍」となった。
会社初の1000万本売上達成の快挙。
「バッド幕末」の大ヒットに支えられて会社は大成長。ここで筆者は決断した。残る野望はただ一つ、自社ハードの開発を行う。ハード開発のための人材育成、環境整備を進めながらソフト開発を行う。そしてゲームハード開発を開始したが、並行してソフトを開発することが出来ないため会社としては長い沈黙機関に入る。黙々とゲームハードを開発していたその時。
まさに青天の霹靂。許すまじ雨天堂。ゲームでこれほど悔しい思いをしたのは久しぶりだ。というかこんなに大変なゲームハード開発を行いながら大ヒットソフトを飛ばすなんて化け物だよあの企業……。
長い苦しみに耐えながらついに自社ハード「ホンテンドー64DDS」が完成。
すかさず自社ハードでソフトを開発。ホンテンドー64DDS一作目はあの名作RPGの続編「ドラファンブレトリガー2」をぶち込む。再び殿堂入りになる。最高の出足だ。
自社ハード出荷後も1000万本クラスの売上を連発。それに伴いハードも普及。ゲームハードとゲームソフトの両輪が上手く噛み合って大きく利益を上げる。やっぱゲームハード売れるって凄い。ソフトが売れるとハードも売れる。
なんと脳トレを発見。こちらは2000万本突破の大ヒット。ハードのシェアも1位になり名実ともにナンバーワンゲーム企業にのし上がる。
ゲームプレイはこのままずっと遊べるのだが、ゲーム内にハイスコア記録があり、20年のプレイで一区切りとなる。というわけでこのプレイも20年でとりあえず終わりとした。
まだまだ作りたいゲームはあるが、とりあえず一区切り。ニューゲームだと見つけたジャンルなどは引き継がれるそうだ。
楽しかった。これまで自分が触れてきた様々なゲームで得た知識や相性、そしてゲームの進化を辿りながら歴史に寄り添い、時には抗いながら一つのゲーム会社を経営して奮闘するのは、幼いころに抱いていた夢だったからとても楽しかった。このゲームで自分の夢を形にすることが出来た。本当に素敵なゲームだ。こんなに夢溢れ、自分自身のロマンを形にできるゲームはない。ぜひゲームが好きな多くの人に遊んでほしい。
最後に。
筆者はこのゲームをゲームブロガーであるラー油氏の実況プレイで知った。氏の楽しそうにゲームを開発しゲームを語る姿をみてこのゲームを買った。一人用のゲームなので黙々と自分の大好きなゲームを作るのも楽しいのだが、他のゲーム好きと一緒に会話しながらゲームを作るのも楽しいと思う。ぜひ皆でゲームを作ろう、そして自分たちが作ったゲームについて語り会おう、笑いあおう。