知らないことだらけ

ゲームとゲーム音楽と雑記

テンタクルズはシオカラーズの夢をみるか

(注:この記事にはSplatoon及びSplatoon2ヒーローモードの内容に関するネタバレが記述されてます、閲覧の際はご注意ください。)

 

(記事目次)

  • ヒーローモードを終えて
  • 伝説は塗り替えるもの
  • 両雄並び立たず
  • 逆転裁判の過ち
  • 常に新しいヒーローを

 

 ヒーローモードを終えて

Splatoon2のヒーローモードを無事にクリアしました。洗脳されちゃったチョロいアオリちゃんを一生懸命に救い出すホタルちゃんの姿に胸をうたれ、2のガチマッチが未プレイだった自分に新しいガチホコをリクエストしたブキチに殺意を覚えながらも楽しくプレイしてエンディングにほろりと涙してました。

ジャンプ床やライドレールなど今作のヒーローモードはかなりアクション性の高いものになったと感じてます。テンポよくクリアする爽快感を感じれる一方、難しいなあと思うところも時々ありました。いろんな意見があると思いますが、今回私が考えたいのは、ゲーム性の話ではなく、テンタクルズの話です。

 Splatoonのヒーローモードでシオカラーズががっつり関わっていたのと対照的に、Splatoon2でテンタクルズが関わるのはミステリーファイルでその記述がほんの少しある程度であり、彼らについて新しく知ったことはほとんどありませんでした。テンタクルズはこれまでと同じように「ハイカラスクウェアでハイカラニュースを読み上げる今人気のミュージシャン」という存在であり続けるのでしょう。でも、それってちょっと残念だなぁと私は感じてしまったのです。

   

伝説は塗り替えるもの

思い出してみてください。今でこそシオカラーズは大人気アイドルだと言えますが、2015/05/28のスプラトゥーンダイレクトで初めて登場したシオカラーズの二人を見た時、これほど人気がでるアイドルになれると予想していましたか?

Splatoonのヒーローモードで、表向きはアイドル、裏ではNew!カラストンビ部隊の1号2号としてハイカラシティの平和を守るナイスな二人、ということがわかりました。ヒーローモードをプレイしている中で、シオカラーズの二人からいろんなことを話しかけられて、二人のことをどんどん知ってゆきました。ラストバトルでのシオカラ節は本当にサイコーでした。

その後フェスで彼女たちの歌を聴き、なんとゲームを飛び出して各所でライブが開催され、それぞれのソロ曲まで発表されたり、ライブアルバムも発売されてしまうなど、破竹の勢いでその人気をのばしてゆきました。

スーパースターは初めからスーパースターではなかったのです、出会ってからその後いろんな出来事があって、同じ時間を共に過ごしてきたからこそ、スターとして私たちの心に残る存在となってゆくのです。

Splatoon2のヒーローモードは、そんなシオカラーズの活躍がそのままゲームになったような、そんな素敵な物語でした。ラストステージがライブ会場だったこと、ラストバトルの曲が彼女たちのソロ曲及びそれらをマッシュアップさせたもの、そして濃口シオカラ節として、シオカライブで様々に演奏されたそれをさらに魅力的にしたもの。最後の最後まで物語の中心にはシオカラーズがいて、そして彼女たちの存在がまばゆいものであり、これからもずっと続いてゆくのだろうということを再認識させられた物語でした。

 

両雄並び立たず

たしかにSplatoon2のヒーローモードはホタルちゃんがアオリちゃんを取り戻して再びシオカラーズとして輝く物語でした。しかしこの物語だとしても、ヒーローモードにテンタクルズが関われることはできたはずです。

ラストバトルの構成上、トキメキボムラッシュ→ボムラッシュの夜→濃口シオカラ節という曲の順番は固定されたものになるとしても、その幕間でどのような形でもテンタクルズが関われたはずです。アオリちゃんの洗脳を解くことに苦戦していたホタルちゃんのもとに、テンタクルズが助けに来るとか、さらにはテンタクルズの歌声でさらに怯んだタコワサの前に、シオカラーズとテンタクルズのコラボで新曲発表してラストバトルとか、そういった展開もできたのではないのでしょうか。

だがSplatoon2はそういった物語を選びませんでした。シオカラーズはヒーローでしたが、テンタクルズはヒーローではない一般の人たちとなりました。今後もフェスが出てくる度にテンタクルズは華やかに登場し、素敵な曲でこれからも楽しませてくれると思います。けれどもテンタクルズはヒーローではないので、シオカラーズと並び立つ存在というわけではないと思います。

 

逆転裁判の過ち

余談ですが、ヒーローモードにおけるキャラクターの引継ぎ云々について考えていたら、逆転裁判のことを思い出したので書いておきます。私は逆転裁判は「シリーズの続け方に一度大きく失敗した」タイトルだと思っています。潮目は逆転裁判4、そして逆転裁判5の時でした。

逆転裁判4では主人公の交代が宣言されました。ナルホドくんからオドロキくんへと変わり新しいシリーズを始める気風にあふれていました、ところが実際は4の登場キャラクターにナルホドくんがいるだけでなく、物語の主軸に大きく絡んでくる働きをしたり、その境遇が大きく変わるなどそれまでのシリーズでナルホドくんに触れてきた人たちに衝撃を与えたと思います。ナルホドくんのポジションにいる人がナルホドくんである必要性もない、ということも相まって逆転裁判4の評価は大きく荒れました。その後、ナンバリングの新作が登場するまで長い時間が必要でした。

その後に出た5ではナルホドくんが主人公に返り咲きをします。年齢を重ねて時代も流れてナルホドくんが再登場しましたが、これはすなわちオドロキくんを主人公から降ろしたという決断をしたわけです。

4では主人公を交代することに失敗し、そして5ではその後交代した主人公を継続させてシリーズ化させてゆくことを断念させられた。ここはなかなかに厳しい判断だったと思いますし、実際とても苦労した部分だと感じました。その後逆転裁判はどうなってゆくのかは自分にはなかなかわかりません。

 

 常に新しいヒーローを

 重ねていいますが、私たちが初めてシオカラーズに出会ったとき、まだ彼女たちはスターではありませんでした。ゲーム内での物語、そしてその後のSplatoonの盛り上がりなどを経てスターになっていきました。テンタクルズも同じことができたはずなのに、そのような選択をしませんでした。遠い未来までシオカラーズを続投させてゆくのか、はたまたテンタクルズをさせてゆくか、もしかしたら新ヒーローが登場するのか、というのはまだまだわかりません。しかし、私は新しいヒーロー、新しいアイドルにこの先も出会えていけたらいいなと思います。シオカラーズに思いがないわけではありません、シオカラーズシオカラーズとして心にとどめておき、新しいアイドルであるテンタクルズがシオカラーズと肩を並べられるほどの魅力が出てほしいということです。

そうやって繰り返し新しいヒーロー、新しいアイドルを生み出し続けてゆくことが、シリーズを続けていくうえでとても大事なのではと考えた次第です。

最後に一つだけ、シオカラーズと同じような道のりを選ばなかったテンタクルズですが、実はSplatoon2にはテンタクルズをこれから盛り上げてゆく術があります。

アップデートです。

シオカラニュースでステージ紹介をするときに二人の掛け合いがみれます。新ステージが追加されるたびに、二人の掛け合いの種類も増えてきました。3DSのバッジとれ~るセンターがそうだったように、この掛け合いを日々更新させることで少しずつテンタクルズのキャラクター性を描いてゆくことが期待できるのではないでしょうか。

さらにはフェスでのしぐさ、追加曲など、まだまだ楽しみなところは多くあげられます。シオカラーズとは違ったテンタクルズの盛り上がりを期待して筆をおきます。